秋の森で散歩  圧反応性の導電性プラスチックシートを使って

 秋は私の大好きな季節です。空気は澄んで、木々の葉っぱは色を変えます。本当に美しくて、毎年感動します。動物は来たる冬の準備に忙しい様子だったりするのも楽しい。

今月のカードはそういう気持ちを表現してみました。



このカードを作りながらマサチューセッツの秋をイメージしていました。
少女が森を散歩しています。足を踏み出すと落ち葉が乾いた音を小さくたてます。
日本語だとカサコソって感じかな。
秋のもりのお散歩の景色を表現してみました。夏が終わり、木々の葉は緑が褪せて段々と黄色や赤に変わっていきます。
ちょっと秘密めいた楽しい気持ちで満たされる、そんな散歩。


先月に続いて、圧反応性の導電性プラスチックを使いました。
このプラスチックは圧によって電気の通しやすさが変わります。強く押さえると、電気を多く通してライトが明るくなる、圧に反応して光の強さを変えるという効果が得られるというわけ。
カードの上に表現した紅葉で皆様に秋の澄んだ空気がお届けできたらいいなと思っています。
今回の回路はとても簡単なものなので、試しやすいかと思います。ご興味がありましたら是非とも。
作り方の動画はこの記事の最後にありますので、この後の説明を飛ばしてそちらを見て頂いてもOKです。

1.使ったもの




Sweet Dear Friend; Picket Fence Studios
・表紙と回路用紙; 5 1/4 x 81/8インチ 4, 4 1/8インチで折る。(1/8インチのマチをつけて二つ折りする)
・カードベース; 41/4x 11インチ
・スイッチパーツ 1 3/4 x 3 1/2インチ  二つ折り
Pressure sensitive conductive plastic 圧反応性の導電性プラスチックシート(ベロスタット/リンクスタットという商品名で知られている黒いシート。精密電子機器を包んで静電気を逃がすための梱包材として使用されているシートのようです。)どのように働くかの解説は、この記事を参照してください。
・3Vのコイン電池 ; CR2016(直径20mm厚さ1.6mmのリチウムコイン電池の型番です)
・Foam tape; thickness 1/8"

まず、リースは万年筆インクをガラスペンと水筆で描きました。先月イラストレーターのマズメミユキさんにオンラインワークショップで教えていただいたバラのリースの復習です。とてもすてきなデザインだったのででカードに使わせて頂きました。秋バージョンです。
どんぐりを入れたり緑の色を調色して、秋の始まりを考えながら自分で楽しく描けたのがとても嬉しい。マズメさん、ありがとうございます!
次にリースの中に女の子のスタンプを。このつま先でそっと踏み出す一歩の様子がたまらなく好きです! それからスイッチの位置にpress hereをスタンプしました。

2. 回路

まず最初にスイッチとライトの位置に印をつけます。ライトはステンシルを使って(ない場合は、ライトを剥がした後の抜け殻もステンシル代わりに使えます。また、チビトロニクスのデザインチームメンバーのJooは、彼女のyoutube チャンネルステンシルのファイルを自作提供してくれています)
次に回路を考えます。シンプルな大原則は、電池のプラスをライトのプラスをつなぐ。電池のマイナスをLEDのマイナスとつなぐ。これだけです。
プラスの回路とマイナスの回路が交わらないように注意してください。交差点があると、そこはショート回路になるので、その回路ではライトは光りません。


回路が書けたら、次はその下書きの上に銅箔テープを貼ります。スイッチパーツの上のプラス回路はそのまま端で折り返して蓋の裏側まで続けて貼ります。(途中で切らないようにしましょう)

電池をスイッチの場所にセットして、蓋を閉じライトが光るかチェックします。
うまく光らない場合は、ライトの向き(プラスマイナス)があっているか、回路にプラスとマイナスの交差点(ショート回路)はないか、ライトと回路はしっかり接触しているか(上から優しく押さえてみて、点灯するようなら接触不良です。しっかりと貼ってください)
最後に圧反応の導電性シートを電池とスイッチの間(上でも下でも良いです)に挟みます。これだけで圧センサー付きのスイッチに早変わりです!

3. 組み立て

今回は表紙パネルと回路パネルの接着はせず、中の回路が見えるようにしてみました。
二つ折りで表紙パネルが開く形に仕立てています。小さなマグネットを角に仕込んでパチッと閉まるようにしました。
これでお送りした相手の方は回路も見られるし、圧反応導電シートの有り無しでの効果の違いも試すことが出来るかなという遊び心です。
表紙パネルの裏側の縁に厚さ3mmのフォームテープを貼り、スイッチ用の厚みを確保しています。電池の周りには滑り落ちないための小さなフォームテープを貼ります。
表側の剥離紙は剥がさずそのままに。角には薄いマグネットを取り付けました。
磁石はとても薄いものを使ったので、2mmのフォームテープの上にセロハンテープで貼り付けましたが、このあたりはお使いの磁石によって調整してください。ベルクロテープを使うのもありかもしれません。表紙が箱の蓋のようにパタンと開く仕様になります。
最後にカードベースに貼り付けます。


さあ、完成!



圧反応性導電シートの使い方については、Jie Qiがとても楽しい使い方のページを公式ウェブサイトにアップしてくれています。英語ですが見たらわかる動画なので問題ないと思います。是非ご覧ください!

今日はこれでおしまいです。最後までご覧いただきありがとうございました。

良い週末を! そして素晴らしい秋をお過ごしくださいますように。

にこりん 

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